ドラマ JIN -仁- 第8話

 「仁友堂」と看板を掲げ、病院を開業した仁は、まずペニシリンの改良に着手しますが、それを実用化するために400両もの大金が必要になります。
 仁はペニシリンの製造に援助してくれた濱口儀兵衛に更なる援助を頼みに行きますが、自分がペニシリンの製造に援助したのは緒方洪庵の器を認めたからで、更なる援助が欲しいなら仁の器を示して欲しいと言われます。

 まあ濱口の気持ちは理解できます。どんなに立派な目的があってもまずは金が必要ですからね。
 かのマザー・テレサも、病人や貧民に対する救済活動ばかりが強調されがちですが、一方でそのために必要な資金を寄付以外に様々な方法で作ってたんですよ。脇道に逸れてしまいますので具体的な方法については割愛しますが。

 そのことを勝の屋敷で話したら、対照的に龍馬が海軍操練所の資金としてそれ以上の大金をかき集めてきたと聞かされ、途方に暮れる仁を、龍馬は吉原に誘います。目的は言うまでもなく野風を口説くためですが、吉原に着いた途端、野風が1人の侍らしい男と言い争っている所に出くわします。男はあっさり野風から逃れて去りますが、野風は仁を見つけると同じ花魁で病に苦しんでいる初音を診察して欲しいと頼んできます。
 初音は客の子を妊娠し、中条流(堕胎専門の医術)の医者に堕ろして貰ったのが原因で敗血症にかかっており、早速ペニシリン投与による治療が始まります。ところで初音の名前を聞いてから、仁の護衛で付いてきた恭太郎に落ち着きがありません。まあ以前から通い詰め、父の形見を売って眼鏡を贈るほど入れ込んでいた女が客の子を孕み、おまけに彼女がうわごとで別の男の名前を呼んでたら、そりゃあやりきれないでしょうね。

 さてペニシリンの効果も思わしくなく、改良したペニシリンが必要になるも金はない。それならば初音がうわごとで呼んでいて、吉原で野風と言い争っていた人気女形・澤村田之助に援助を求めてはどうかと恭太郎が提案し、仁達は早速田之助の元へ。
 ところがこの田之助、同席した龍馬があの手この手で口説いても首を縦に振りません。自分を見せ物にしたあぶく銭だろうと恭太郎がキレると、自分も下積み時代、女郎のように他人に体を売りながら芸を磨き、そうして稼いだ汗と血と肉だと田之助に切り返されます。
 そんな仁達の窮状を見かねて野風が自分の手持ちの50両を渡そうとしますが、それは彼女にとって血と肉のようなものだろうと突っぱねます。まあ仁のそういう割り切れない所が甘いと言えば甘いのですが。
 結局龍馬が金を用意して来るからと、見切り発車で改良ペニシリンの製造に取りかかる仁ですが、すぐに働き手達の不満が爆発してしまいます。そこへ龍馬が中条流の医者からペニシリンの権利を担保に金を借りてきて、これで資金の問題は解決し、改良したペニシリンの効果で初音の病も快方に向かいます。

 しかし、これでめでたしめでたしとは行かないのがドラマの常というやつでして。
 龍馬は7年の期限という約束で金を借りたのですが、貸主の医者は龍馬が焦りで証文を良く見ないのにつけ込んで、証文に期限を7日と書き込んでいたのです。
 このままではペニシリンが金儲けの道具にされてしまうと分かっていても打つ手がなく、窮地に陥った仁達の元へ、何と田之助がやって来て、ペニシリンが仁達の汗と血と肉なら話は別だと、400両を貸主の前にぶちまけて見せます。
 実はこの陰で、恭太郎が田之助に自分の身を売るからと頼み込み、だったら見せ物になってくれと、町中で恭太郎は田之助に土下座することに。そうして惜しげなく金を出す所を大勢の前に見せつけることで、田之助は男を上げたのでした。
 いくら400両のためとは言え、役者の社会的地位が低かった当時、武士が役者に頭を下げるなどさぞかし屈辱的だったことでしょう。例え返す必要は無いと田之助が言ってきたとしてもです。仁や龍馬の活躍ぶりに劣等感と嫉妬を抱いていた恭太郎ですが、私を助けてくれたじゃないですかという仁の言葉に、恭太郎は涙するのでした。
 これまでに他の人が涙を流すシーンは度々ありましたが、今回の恭太郎のそれは、実に重みがありました。

 そして、自分は誰かに支えられなくては生きていけず、恩を返すには医術以外にないと正直に告白し、その上で改めて援助を頼む仁に、濱口はそんな仁の器を『小さいけれど美しい』と評価してくれました。

 そう言うわけで、更に人に支えられながら医学の針を進めていこうとする仁ですが、それは歴史の針──龍馬暗殺までも早めてしまう可能性に気付いてしまいます。
 更にはラストで例の写真を見た仁が愕然としてましたし、一体どう変化していたのでしょうか? 来週が気がかりだったり怖かったり。


JIN -仁- 公式サイト
http://www.tbs.co.jp/jin2009/

↓ペニシリンの改良と、澤村田之助が登場する話が載っているのはこちらの巻です。
JIN―仁 (第4巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)
集英社
村上 もとか

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南方仁が野風と結ばれ ...
取材のすごさに驚嘆  ...
おもしろいです連載当 ...
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