アニメ 夢使い第9話「闇に棲む少年」

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 夕暮れ時、廃墟の上で1人たたずんでいる塔子でしたが、そこへ黒ずくめの美少年がやって来ます。
「この場所は、人の営みから外れ、現実にあるという事実をあやふやにさせる」
 お互い似たような動機でやって来たということを察した2人。少年におかしな格好だと言われ、世捨て人だからと答える塔子に対し、
「何事も夢幻と思い知る 身には憂いも喜びもなし」
 そう呟く少年。塔子も中世の権力者が詠んだ辞世の句ですね、と返します。
 調べてみましたが、確かに室町時代の将軍、足利義政がそう言う辞世の句を詠んでます。
 しかし、こうして画像を見るだけなら、2人ともルックスは良いのですから恋人同士のように見えるのですけどねぇ。

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 さて、折しも塔子たちの元には夢使いの仕事が入ってきます。
 色々な場所で原因不明の事件が起こり、時を同じくして差出人不明の手紙が来ます。
「龍が見える」という意味不明の記述に首をかしげながらも事件のあった場所を回ってみますと、雑居ビル、駅のホーム、老人ホームで床や壁、天井が派手にえぐられていまして、当然事故であるわけがなく、悪夢の仕業と断定します。そして老人ホームでは「龍が見えた」という情報が──

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 ところが次に向かった高校の科学室に事件の痕跡はなく、ガスの元栓から炎が巻き上がったという、これまでとは現象が違うことから、違う悪夢の仕業によるものだろうかと考えていると、1人の女生徒が部屋を覗いていて、塔子たちが気付くと慌てて逃げ出します。
 その女生徒を捕まえて、どうやら手紙の差出人だと分かり、詳しい話を聞こうとした矢先、また次の事件が起こったと美砂子から連絡があり、塔子はその場を燐子に任せて夢使いの装束に転装。夢使いの能力で飛行機に変形し、現場へ急行します。

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 現場へ行ってみると、自動車が玉突き衝突を起こしており、地面にはまたもえぐられた跡が。
 そこで塔子は廃墟で会った少年と再会します。夢使いの装束姿の塔子を見た少年にまた変わった服装と言われ、夢使いのコスチュームだと説明していると、自動車から突然火の手が上がり、そこから黒い龍が現れます。
 現場にいた人たちが騒ぐ中、少年は悠然と龍を見上げ、
「人の想いが悪夢となり、時として不可解な現象を引き起こすのなら、これは僕の悪夢だ」と呟きます。
 どういうことかと尋ねる塔子ですが、襲ってくる龍と交戦している間に少年は榊圭吾と名乗り、その場から去ってしまいます。そして、高校で燐子が事情を聴いていた女生徒からも、榊圭吾の名前が出ます!

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 どうやら悪夢の元は圭吾だと分かり、原因を探すため夢殿に籠もる塔子。
 燐子は女生徒と共に圭吾の家に向かう道すがら、圭吾の人となりについて訊きますが、学校の成績、素行、家庭環境など、悪夢を起こしそうな問題はないとのこと。首をかしげながら圭吾の家に着くと、圭吾の家は火事になっており、中に誰が居るか分からないとのこと。流石に手の出しようがなく燐子たちが見ていると、燃える家の中から、前の事件現場よりもはっきりした形を取って龍が現れます。

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 事件の原因を知り、夢殿から出た塔子が向かったのは、最初に圭吾と会った廃墟。そこで塔子を待っていたかのように、圭吾が立っていました。
 悪夢を生み出したのは、圭吾の中にある“虚無”。この世界に希望も絶望も抱いておらず、あらゆるものが彼にとっては無価値だから、何が壊れてしまおうが構わない。むしろ壊れてしまうことを望んでいるのです。
 放っておけば町を破壊し尽くすだろう龍=“悪夢”を夢に戻すため、圭吾に協力を求める塔子ですが、圭吾はせせら笑って拒否します。“悪夢”が望み通り何もかも破壊してくれるのに、何で消してしまわなくてはいけないんだ、とばかりに。
 そして“悪夢”が暴走し、圭吾に牙を剥いてもなお、彼は考えを変えません。むしろ、現実と夢の間で生きる、自分と近い人間である塔子に対し、何故止めようとするんだと訊きます。
 自分は夢使いだからと塔子は答えますが、それは自分の意志なのかと返された塔子の脳裏に、自分をかばって死んでいった父親の姿がフラッシュバックします。
 遂に塔子の力及ばず、“悪夢”は圭吾を喰らって消えていきます。しかし、最後の瞬間にあって圭吾の心にあったのは、やっと消えるという、恐怖でも、まして希望でもなく、強いて言えば安堵とでも取れるものでした……

 今回、圭吾という世界においてあまりに異質なキャラクターが登場し、最初と終わりに塔子の過去が出てきまして、最終回に向けてのカウントダウンをイメージさせる話のように、私には思えました。

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