トーマス・ヘイガー:著 久保美代子:翻訳 歴史を変えた10の薬


 桜の花もこちらではだいぶ散りまして、枝には葉の緑が目立ってきた今日この頃、皆様に置かれましてはいかがお過ごしでしょうか。
 世間では緊急事態宣言が明けてから、テレビ番組では花見や飲食店で宴会に興じる人達の姿が流れ、日本国民全体からすれば少数派なのでしょうけど、新型コロナウイルスワクチンの一般への接種はまだまだ先なのですから気を緩めちゃいけません。
 という前置きで、薬繋がりで狙っていたわけではありませんが、今回紹介するのは「歴史を変えた10の薬」という本です。

 こちらの本は、タイトルだけを見ると薬の説明本と思う方もいるかも知れませんが、実際は歴史の教科書にも書かれている戦争の引き金になったアヘンや、歴史上人類が唯一根絶できた伝染病である天然痘に対する人痘接種から牛痘接種までの流れ、漫画でも登場したサルファ剤、ペニシリンなど、それぞれの薬の起源や開発のいきさつなどを紹介しながら、その薬と社会との関わりが描かれています。
 なので薬と言うよりは歴史寄りの本でして、例えばアヘンからモルヒン、そしてヘロインに至る研究も、根源は『依存性が無い鎮痛薬』を求めての事だと分かりますし、製薬業界の巨大化や、より大きな利益をもたらす方へ開発の重点が決められていく流れも書かれています。
 こう書くと、そしてこの本をある程度まで読み進めていくと製薬業界が悪役に感じられ、未来に不安を感じるかも知れませんが、製薬業界も商売ですから利益を上げなくてはならないし、その利益が次の開発の資金に回されて新しい薬が生み出されると理解できる程度には私も大人のつもりです。
 作者も最後で希望的な観測を述べていますし、これまでも、今も、そしてこれからも薬の開発は人類を病から救うために、生活の質を向上させるために進められてきたと分かる一冊でした。

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