日日日 魔女の生徒会長Ⅴ ママはあなたが嫌いみたい


 第1巻からこちらで紹介してきた日日日先生の小説「魔女の生徒会長」ですが、先日出た「魔女の生徒会長Ⅴ ママはあなたが嫌いみたい」で最終巻となります。というわけで、最後もしっかり紹介と感想を書くとしましょう。

 前巻でD校舎の『悪魔の双子』の助けを得て「魔法」を解かれ、『魔女の生徒会長』から普通の女の子に戻った剣シロオと、長い時を経てようやくシロオと「再会」できた恋塚ミミクロ。2人は自分たちにかけられた「魔法」が誰の悪意によるものか、その真実を確かめるため、学園を出て旅に出ます。で、2人は子供の頃過ごしたシロオの家へ向かうのですが、2人きりの旅は喪った10年の月日を取り戻そうとするかのように和やかで、時にはいちゃいちゃしたりして、読んでいて微笑ましいものがあります。しかし、そんな展開がいつまでも続くわけがなく、シロオの家に着いて間もなく警察がやって来て、シロオは巷で発生している連続通り魔事件の犯人として捕らえられてしまいます。
 事件の裏にはシロオの妹ルリヲの、姉に対する劣等感、嫉妬、憎しみがあり、それを『ママ』に利用されて暴走するわけですが、相変わらず日日日先生はそういう負の感情や欲望が人を残虐にしてしまう心理と行動の描写がとても巧みですね。
 そしてそれとは対照的に、大国の利益のために人間を部品として捉え、役に立たないならためらいなく排除する『ママ』の、同じ残虐でも機械的で無機質な所は別の意味で恐怖ですが、現実の歴史上、特に戦争時には多かれ少なかれ指導者に存在していたことでもあるのです。
 紆余曲折の末、学園を抜け出してきた人斬り少女・陽月オセロの助けも借りてシロオを救出し、学園に戻ったミミクロ達は、仲間達と合流して『ママ』との対決に臨みますが、流石にクライマックス、最終決戦とあって『ママ』の強さは圧倒的を通り越して絶対的とも言えるレベルで、力に物を言わせて絶対服従を強要してきます。ですがそんな絶望的な力の差を学園の仲間達の想いを受けて乗り越え、打ち倒す展開は、流石少年漫画的ストーリーの名に恥じないものでした。無論そこまでには色々な言葉やプロセスがあって、作中で色々言い尽くされているのですが、敢えて私から付け加えると、「子はいつか親を乗り越えていくものだ」ということでしょう。
 ここで詳しくは書きませんが、最後は「シロオ達の戦いは続く」的な展開でシリーズは終わりまして、作者も後書きで書いてますが、本当に最後まで少年漫画のノリでした。て言うか、誰か本当に漫画化してくれませんかね?

魔女の生徒会長V ママはあなたが嫌いみたい (MF文庫J)
メディアファクトリー
日日日

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック